高齢者がいらっしゃるご家庭では、手すりの設置・取り付けが必要となることが多くみられますが、手すりは手あたり次第にどこにでも設置すれば良いというわけではありません。
手すり設置・取り付けの際は、知っておくべき基礎知識があります。ここでは、手すりの位置についてご紹介しましょう。
階段に手すりを設置する場合は、特に慎重に位置を確認する必要があります。
例えば手すりを高く設置しすぎてしまうと、背中が丸まってしまったいる高齢者の方は特にのけぞりながら階段を上ることになりますので、後方に転倒する恐れがあります。
日常生活で不便なだけでなく、危うく事故にもなりかねないことですので、注意しましょう。
歩く際に体を支える必要のある廊下についてですが、手すりの位置としては腕をまっすぐ下した際の手首の位置が適切とされています。
もしくは、大腿骨大転子と呼ばれる、股関節の横当たりの骨の位置に合わせても良いといわれています。
トイレでは、横に縦やL字の手すりを設置するならば座面から20cm~30cmほどの高さに、正面に横の手すりを設置するならば40cmほどスペースを開けて設置する必要があります。
ちなみに縦やL字の手すりを設置する場合は、便器から手すりがある程度遠いことでスムーズに立ち上がることができます。
反対に近すぎてしまうと、立ち上がる際に力が必要となってしまうので、注意しましょう。
浴室についてですが、高齢者による事故もおきやすい場所ですので、手すりを設置したいというご家庭も多いかと思います。
また、浴室は狭い場所ですが、床が滑りやすいこともありますので、複数の手すりの設置が必要となります。例えば出入口や洗い場の立ち座り用に縦の手すりを設置したり、洗い場の移動や浴室内の立ち座り用に横の手すりなど、状況に応じて様々な手すりを設置する必要があるのです。